カーテンの形態安定加工は必要?プロが教える判断基準【豆知識】
カーテン選びの際、「形態安定加工」という言葉を耳にすることが多くなりました。美しいプリーツを保つための加工ですが、すべてのカーテンに必要なわけではありません。本記事では、形態安定加工の正しい知識と、どんな場合に必要か、また専門店で購入するメリットをプロの視点でわかりやすく解説します。

形態安定加工の基礎知識
1.形態安定加工とは?カーテンに施す理由
形態安定加工は、カーテンのプリーツ(ひだ)を美しく保つために、縫製後のカーテンに高温の蒸気(スチーム)をあてて熱可塑性のあるポリエステル素材の形を整える加工です。薬剤は使わず、熱の力だけでプリーツを固定するため、安全性も高いです。この加工により、カーテンを吊るしたときにプリーツがきれいに揃い、裾の広がりを抑え、見た目が美しくなります。
2.形態安定加工と形状記憶加工の違い
形態安定加工は縫製後に熱を加えてプリーツを固定する後加工で、洗濯を繰り返すと徐々に効果が薄れていきます。一方、形状記憶加工は縫製前の生地に高温処理を施し、生地自体にプリーツの形を記憶させるため、半永久的に美しいプリーツが持続します。ただし、形状記憶加工は加工コストが高く、加工できるサイズや素材に制限があります。
メリットとデメリットを知ろう
1.形態安定加工カーテンのメリット
- プリーツが美しく整い、窓辺がすっきり見える
- 洗濯後も形が崩れにくく、お手入れがしやすい
- 開閉を繰り返してもプリーツが戻りやすい
- 高級感があり、インテリアの印象がアップする

2.形態安定加工カーテンのデメリット・注意点
- ポリエステルなど熱可塑性のある合成繊維にしか加工できない
- 綿や麻などの天然素材には適用できない
- 洗濯や熱の繰り返しで徐々に効果が薄れる
- 加工費用が追加でかかる場合がある
加工できるカーテン・できないカーテン
1.形態安定加工ができる素材・できない素材
形態安定加工はポリエステルなどの熱可塑性を持つ合成繊維に適しています。これらの素材は熱を加えることで形を固定できますが、綿や麻などの天然素材は熱可塑性がないため加工ができません。
2.柔らかな生地には形態安定加工が不要な場合も
柔らかく薄手の生地(例えば薄手のレースカーテンや綿混素材など)は、元々プリーツが自然に整いやすいため、形態安定加工を施さなくても美しいドレープを楽しめることがあります。こうした生地は加工をかけると風合いが損なわれる恐れもあるため、あえて加工をしない選択もあります。
3.形態安定加工向きカーテンと不向きカーテン
- 向いているカーテン:厚手で硬めのポリエステルカーテンや遮光カーテンなど、プリーツが広がりやすい生地。大きな窓や裾の広がりを抑えたい場合に特に効果的です。
- 向かないカーテン:柔らかく薄手のジョーゼット生地や天然素材のカーテン。自然な風合いを活かしたい場合。

プロが教える判断基準と選び方
形態安定加工が必要なケース・不要なケース
- 必要なケース:プリーツの美しさを長く保ちたい方、厚手で硬めの生地を使ったカーテン、頻繁に洗濯する方、ホテルのような高級感を求める方。
- 不要なケース:柔らかく自然な風合いを大切にしたい方、薄手の生地や天然素材を好む方、加工費用を抑えたい方。
失敗しないカーテン選びのポイント
カーテンの素材や使う場所、求める仕上がりを明確にした上で、形態安定加工の必要性を判断しましょう。専門店では実際の生地サンプルを見ながら、素材の特性や加工のメリット・デメリットを詳しく説明してくれます。ネット通販や量販店では難しい、細かな相談ができるのが専門店の大きな強みです。
よくある質問とまとめ
よくある質問Q&A
Q:形態安定加工は既製カーテンにもできますか?
A:形態安定加工は基本的にオーダーカーテンのみ対応です。既製カーテンやご購入後の商品に後から加工を施すことはできません。
Q:どのカーテンスタイルにも形態安定加工はできますか?
A:形態安定加工はプリーツ(ひだ)カーテン専用の加工です。フラットカーテンやハトメカーテン、遮光裏地付きカーテンなど、スタイルによっては加工できない場合があります。
Q:形態安定加工をしたカーテンのお手入れで注意することは?
A:高温のアイロンやタンブラー乾燥など、強い熱を与えると加工の効果がなくなる恐れがあります。(基本的には、カーテンはタンブラー乾燥は禁止)洗濯も表示に従い、やさしくお手入れしてください。
Q:形態安定加工はどんな生地におすすめですか?
A:厚手や反発性のある生地、大きなサイズのカーテンに特に効果的ですが、柔らかな生地や薄手のカーテンは、もともとプリーツがきれいに出やすいため、加工が不要な場合もあります。