東京都庭園美術館に行ってきました【エトセトラ】
東京都庭園美術館で12月25日まで開催のクリスチャン・ボルタンスキー展とアール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間という展覧会に行ってきました。クリスチャン・ボルタンスキーはフランスの現代美術家で2006年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。その作品は「生と死」をテーマにしており、体験者に強く深い印象を与えます。今回の展覧会では、かつてこの場所に人々が存在していた<気配>を感じさせられるような作品でした。
この美術館は、旧朝香宮邸として建設されました。住まいとして使われた期間は短く、その後政府によって借り上げられ首相公邸として、その後赤坂迎賓館が開設されるまで迎賓館として使用されていました。1983年に東京都庭園美術館として一般公開されるようになりました。現在は本館・茶室・正門が国の重要文化財にしていされています。
重要文化財としての評価はアールデコ様式の優れたデザインにあります。アールデコのデザイン様式の特徴は幾何学的表現で、有機的な曲線が特徴のアールヌーボーとの比較で語られることが多く、1925年のパリ万博がエポックを画する出来事とされています。旧朝香宮邸のインテリアデザインには、著名なデザイナーであるルネ・ラリックによるガラスレリーフやシャンデリアがあります。ここまでアールデコのデザインが細部まで行き届き、しかも内装もオリジナルの状態に近いままで見られるのは素晴らしいと思います。庭園も美しいので大変おすすめです。