アルヴァ・アアルト展@ステーションギャラリー【エトセトラ】
アルヴァ・アアルトといえば、日本では家具やプロダクトのデザインで有名ですがフィンランド本国では巨匠建築家として、またアルテックの設立者として大変有名な人物です。
その仕事は、個人邸宅から公共建築まで幅広く、建築に合わせて家具をはじめ壁面タイルやドアノブ、照明、レリーフなど空間に関わるあらゆるもののデザインを手掛けています。アアルトの考えの根底には、人々の暮らしをより豊かにしたいという発想と、フィンランドの豊かな自然の中に見出した有機的なフォルムを実際に設計やデザインとして表現しています。
今回の展覧会はヴィトラ・デザインミュージアムとアルヴァ・アアルト美術館の企画による国際巡回展で、ヨーロッパ各地を巡回した後に日本では20年ぶりの個展として開催されています。(実はセゾン美術館の最後の展覧会がアアルト展でした。あれから20年…)今回見どころは、なんといってもパイミオのサナトリウム病室が再現されています。森の中にあるサナトリウム、アアルトの設計というとなんとも詩的な雰囲気があります。パイミオのサナトリウムは、アアルト初期の仕事で、その頃に近代建築国際会議でモホイ=ナジ・ラースロー、ヴァルター・グロウピウス、ル・コルビュジェと知り合います。
個人的に興味を持ったのは、フラットモニターで次々と映し出されるアアルトと協働していた妻のアイノ・アアルトによる建築写真です。モホイ=ナジの影響が感じられ、とても素晴らしい写真だと思いました。(でも、その後は家族の写真に移行してしまったようです)アイノもとてもセンスがある人でした。
アアルトはパリ万博やニューヨーク万博でフィンランド館を手掛ける、いわば国を代表する建築家でした。ル・コルビュジェとも面識があったと思われます。「芸術と生活」という展示で、コルビュジェ展でも展示のあったフェルナン・レジェの絵画があり、同時期の活躍した建築家としてお互いに意識していたのではないでしょうか。
ちなみに、[建築を楽しむ!相互割引のご案内]というのがあり
「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」展[会場:国立西洋美術館 会期:2019/2/19~5/19]のチケット(半券可)のご提示で、アアルト展の当日券を100円割引になりますよ。