防炎カーテンとは?普通のカーテンとの違いを解説【豆知識】
カーテンを選ぶときに、「防炎カーテン」という言葉を聞いたことはありませんか?
防炎カーテンは、火災時に燃え広がりにくい特性を持つカーテンで、ホテルや病院、マンションなどの建物では使用が義務付けられていることもあります。今回は、防炎カーテンとは何か、普通のカーテンとの違い、そしてどのような方におすすめなのかを分かりやすく解説していきます!
防炎カーテンとは?普通のカーテンとどう違う?
防炎カーテンとは、火がついても燃え広がりにくいように加工されたカーテンのことです。
消防法や建築基準法によって、一部の施設や高層マンションでは設置が義務付けられています。一方で、普通のカーテンは特別な防炎加工がされておらず、火がつくとすぐに燃え広がってしまう可能性があります。
カーテンは広い面積を覆うため、万が一火災が発生した際に燃えやすい素材だと被害が拡大しやすいのです。
火事のときに安心!防炎カーテンのメリットとは?
防炎カーテンには、以下のようなメリットがあります。
1.延焼を抑制し、避難時間を確保できる
防炎カーテンは、火がついても燃え広がりにくいように加工されています。そのため、万が一火災が発生した場合でも、炎の広がりを遅らせ、初期消火や避難のための貴重な時間を確保することができます。
2. 火災による被害を抑える
カーテンは、火災時に燃え移りやすく、急速に燃え広がる可能性のある製品です。防炎カーテンを使用することで、カーテンからの延焼を防ぎ、家具や他の可燃物への燃え移りを抑制し、火災による被害を抑えることができます。
3. 安全性の向上
防炎カーテンは、一般家庭でも火災対策として効果が期待できます。着火してから燃え広がるまでの時間が遅いので、避難する時間稼ぎになります。お年寄りやお子様がいるご家庭では、安全性の面で非常に有効です。
ホテルやマンションでは必須?防炎カーテンの必要性
防炎カーテンの義務化は、消防法によって定められています。主に、以下の場所で防炎カーテンの使用が義務付けられています。
1.構想建築物
高さ31mを超える高層マンションやビルでは、居住階に関わらず、すべての階で防炎カーテンの使用が義務付けられています。これは、おおよそ11階建て以上の建物に相当します。タワーマンションの低層階の住戸であっても、防炎カーテンである必要性があります。
2.不特定多数の人が出入りする施設
- 病院、ホテル、旅館、飲食店、映画館、劇場、百貨店などの商業施設など、不特定多数の人が出入りする施設では、防炎カーテンの使用が義務付けられています。
- 学校、幼稚園、保育園などの教育施設、老人ホーム、介護施設などの福祉施設も含まれます。
- 地下街や準地下街も含まれます。
一般住宅について
- 一般住宅(一戸建てや11階以下のマンション・アパートなど)では、防炎カーテンの設置は義務ではありません。しかし、火災時の安全性を考慮すると、防炎カーテンの使用は災害時に有効だと思います。

洗濯しても大丈夫?防炎カーテンのお手入れ方法
防炎カーテンには「難燃繊維タイプ」と「防炎加工タイプ」があります。
- 難燃繊維タイプ:繊維自体が燃えにくい特性を持っており、洗濯しても防炎効果が落ちにくい。防炎効果を維持するためには、洗濯表示を確認し、指定された方法でお手入れすることが大切です。防炎カーテンの該当製品には、防炎マークがついています。マークに(イ)と表示されているものは、難燃繊維タイプで、水洗い洗濯及びドライクリーニングでも効果が保たれる防炎カーテンです。
- 防炎加工タイプ:生地に防炎剤を加工したもの。洗濯や経年劣化で効果が薄れる可能性がある。気に入ったものがカーテンが防炎該当製品でない場合は、後加工して防炎性能を獲得する必要があります。その場合は、洗濯後に再加工の必要がある場合があります。
防炎カーテンはおしゃれじゃない?
「防炎カーテンは業務用っぽいデザインしかないのでは?」と思う方も多いですが、実際にはおしゃれなデザインのものもたくさんあります。カタログに防炎カーテンには、防炎マークが表示されています。防炎商品も実は色々あります。

防炎カーテンは高い?
防炎カーテンは、一般的なカーテンに比べると、確かに価格が高めに設定されています。これは、燃え広がりにくい特殊な繊維を使用したり、防炎加工という特別な工程を経ているためです。
輸入カーテンの防炎性能について
輸入カーテンの防炎性能は、日本の防炎基準とは異なる点があるため、注意が必要です。輸入カーテンには、防炎性能を持つものと持たないものの両方があります。また、ヨーロッパ製やアメリカ製のカーテンには、それぞれの国の防炎基準が適用されているため、日本の基準とは異なる場合があります。
- 欧州規格(EN規格) → Trevira CSなどの難燃素材が多く使用される
- アメリカ規格(NFPA 701) → 米国の防炎基準で、厳しい試験をクリアしたもの
- 日本規格(JIS・日本防炎協会) → 日本の消防法に基づく基準
そのため、輸入カーテンを日本で使用する場合、日本の防炎基準を満たしているかを確認することが重要です。カタログ等に防炎表示があるか確認が必要です。
難燃素材「Trevira CS(トレビラCS)」とは?
輸入カーテンの中で代表的な防炎素材にTrevira CS(トレビラCS)があります。
- トレビラSCは、ドイツのトレビラ社が開発した難燃ポリエステル繊維です。
- 特徴として、繊維自体に難燃性があるため、洗濯や摩擦によって防炎性能が低下しにくいという点が挙げられます。
- トレビラSCは、繊維自体が難燃性を持つため、後加工による防炎加工とは異なり、洗濯や摩擦によって防炎性能が低下しにくいという特徴があります。
- 日本の防炎性能基準も満たしており、高層マンションやホテル、病院、学校など、消防法で防炎製品の使用が義務付けられている場所でも安心して使用することができます。
トレビラSCは、高い防炎性能を持つ一方で、価格がやや高めになる傾向があります。
気に入った輸入カーテンが防炎でない場合
防炎カーテンから選びなおす
天然素材の場合、素材はコットンやリネン、シルクなので防炎性能はありません。最近では、コットンやリネンのような風合いのポリエステル素材のカーテンで、防炎商品もあります。ヴェスタショップでご相談ください。
防炎後加工を施す
防炎後加工とは、通常のカーテン生地に後から防炎性能を付与する加工です。これにより、お気に入りのデザインのカーテンを防炎カーテンとして使用できるようになります。以下に、防炎後加工の注意点などを詳しく解説します。
- 加工できる生地に制限がある:天然素材や特殊な加工が施されたものなど、素材によっては後加工ができないものや、風合いが変わってしまうのでメーカーが後加工不可としているものがあります。
- 後加工すると風合いが変わる:後加工は可能だが、元々の風合いとは変わってしまうことがあります。
- 後加工は納期と費用がかかる:生地に難燃加工をするので、加工納期・費用がかかります。
- 洗濯後に再度加工が必要:洗濯によって防炎効果が低下する可能性があります。
タワーマンションにお住まいのお客様には、防炎性能を持つ商品からお選びいただくようにヴェスタショップではご案内しています。お気軽にご相談ください。
天然素材の場合
輸入カーテンではありませんが、天然素材カーテンでは後加工不可という製品も多くありますが、ヴェスタショップでお取り扱いのあるリネンカーテンの「リフリン」では、防炎加工が可能です。通常納期に1週間かかりますので納期には余裕を持ってご発注ください。
まとめ
防炎カーテンは、燃え広がりにくい安全性の高いカーテンで、特にホテルやマンション、公共施設では必須とされています。一般のご家庭でも、安全性を高めるために採用するケースが増えてきています。
ヴェスタショップでは、素敵なデザインの防炎カーテンの展示が多くございます。ぜひショールームで実際の生地をご覧ください。お見積りは無料です。