暮らしに優しい天然素材カーテンとは?【豆知識】

天然繊維の定義とは?

繊維は大きく分けて「化学繊維」と「天然繊維」があります。天然繊維とは、原料が自然素材で科学的な処理をしていなものです。自然素材を科学的処理したものは再生繊維といいます。天然繊維は大きく分けて植物繊維と動物繊維があり、動物性はシルクとウールがあり、植物性には麻と綿があります。カーテンで取り扱いが多い植物繊維の麻と綿、そして再生繊維のテンセルについてもご紹介したいと思います。

天然素材カーテンで代表的なのは麻と綿です。麻はリネンと言われていますが、リネンは麻の中のひとつの種類です。日本では『麻』と表記できるのはリネンとラミーだけです。綿はアオイ科の植物です。植物の種類はいろいろあり、種類によって採れる繊維の長さが違い、より長い繊維が採れるものが高級とされています。テンセルは天然繊維ではありませんが、再生繊維という新しい繊維です。原料はコアラが好きなユーカリです。

リネン

麻は最も古い繊維

麻は古くから織物として利用されてきました。古代エジプトではリネンは『Woven Moon Light』(月光で織られた生地)と呼ばれ、神聖な繊維として扱われました。ミイラを包んでいる生地はリネンです。中世ヨーロッパでは、リネンは高貴な繊維として広まり、その丈夫さからキッチンやベッド用リネンが嫁入り道具とされていました。

麻とは?リネンとは?

麻は靭皮(じんぴ)繊維と葉脈繊維の総称で、英語では「麻」に該当する単語がありません。麻と呼ばれるものには、リネン=亜麻(フラックス)、ラミー=苧麻(ちょま)、ジュート=黄麻、ヘンプがあります。植物の種類によって呼称が違うのです。麻の中でも、最も身近に感じられるものがリネンです。

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リネンの特徴

リネンは丈夫な天然繊維です。その昔は、消防ホースにも使われていました。リネンを使用したことがある方には思い当たるかもしれませんが、優れた吸水発散性により素早く水分を吸収して、乾くのも早いです。

  • 吸水性・発散性に優れている
  • 吸湿すると強度が増す
  • サラッとした清涼感がある
  • 帯電性が低い
  • シワになりやすい

お気軽にご相談ください

カーテンで天然素材をお探しならヴェスタショップで是非ご相談ください。専門スタッフが詳しくご説明いたします。実物にお手に取ってご覧いただければ、ご納得していただけると商品だと思います。

コットン

綿の歴史は5000年ほど前から、古代インドや南米ペルーで栽培されており、これが西欧に伝えられました。日本では15世紀中ごろから綿の栽培が始められたといわれています。綿はアオイ科の植物で、大きくインド原産とペルー原産とメキシコから中南米原産に分けられます。

綿は繊維の長さで分類され、長繊維綿・中繊維綿・短繊維綿と分類され、繊維が長いほど高級品とされています。最も多く使われているのは、中南米系品種をアメリカで品種改良した中繊維綿のアップランド綿です。長繊維綿ではペルー系のエジプト綿が有名です。長繊維綿からは細くて滑らかな繊維ができるので高級服地が作られます。

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コットンの特徴

コットンも丈夫な天然素材です。綿は植物の特性上、紡績(糸につむぐこと)しやすく、紡績した繊維は適度はかさ高性があります。リネンと同様に吸水性が高いです。また、染色性に優れているのでプリント生地として使われることが多いです。

  • ねじれ・管の中空構造なので保温性がある
  • 吸湿性・吸水性に優れている
  • 吸湿すると強度が増す(麻と同様)
  • 染色性・染色堅牢性に優れる
  • 洗濯で縮みやすい
  • シワになりやすい

テンセル

テンセルの原料はユーカリです。ユーカリは成長が早く、強い植物なので化学肥料を必要としないエコな原料です。原料となるユーカリの木材パルプを化学処理したファイバー(ワタ)を糸に紡ぎだします。さらに溶剤は99%以上が再利用されるため、環境への影響が最小限に抑えられるそうです。テンセルは土に埋めると微生物に分解され、最終的に「土」に還ります。その土はまた木を育てられるので、自然な循環リサイクルが生み出されます。分類上はテンセルも化学繊維にはなりますが、一般的な石油から作られた化学繊維とは違い、限りなく天然繊維に近い化学繊維なのです。

テンセル®

テンセルとは、オーストリアのレンチング社が製造するリヨセル繊維の登録商標です。普通名詞ではリヨセル繊維になりますが、テンセルの方が一般的に知られていると思います。表示では『テンセル®』と登録商標マークをつけて使われます。

(左)ユーカリの木材チップ/(中央)セルロースをパルプ化したもの/(右)糸になる前の状態のテンセル

テンセルの特徴

テンセルは木材パルプを溶剤にとかして、フィルターでろ過し、不純物を取り除いたものを細かい穴から押し出して紡出し、ファイバーにしたものを紡績して糸にします。原料のユーカリ育成からファイバーの製造工程において、水・化学薬品・エネルギーの使用量を抑えられる点においてもエコな素材です。

  • ソフトな風合いで光沢感がある
  • 繊維が柔らかくドレープ性がよい
  • 吸水性・発散性に優れている
  • 摩擦によって白くなりやすい
  • 濡れると少し硬くなる

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天然繊維カーテンのメリット・デメリット

【メリット】

リネン・コットンは植物原料なので、ポリエステル繊維と比べると静電気が起こりにくいのでホコリが付きにくいです。カーテンの汚れはほぼホコリなので、天然素材は汚れにくいことがメリットです。そのナチュラルな質感も大きな魅力です。

【デメリット】

ポリエステル繊維は伸び縮みしませんが天然繊維は伸び縮みします。水洗いすると縮みます。逆に湿度が高いと伸びることもあります。そしてシワになりやすいです。カーテンはサイズが大きいので、洋服など小さなものと比べると洗濯による縮みが目立つのです。

天然素材カーテン Q&A

Q:(天然繊維共通)お洗濯するについて

A:カーテンの汚れは基本的にホコリです。天然繊維は帯電性が低い(=静電気が起こりにくい)ので、ホコリが付きにくいでそれほどお洗濯の必要はないと思います。お洗濯は洗濯表示がついていますので、表示の指示に従ってください。カーテンは大変デリケートな商品です。水洗いが可能な場合、洗濯機の弱モード(おしゃれ着コースなど)で低めの水温にしてください。リネンもコットンもシワになりやすく、テンセルは摩擦に弱いので、脱水は最低限にして、シワを伸ばしつつカーテンレールに吊るして乾かしてください・乾燥機のご使用は縮みの原因ですので絶対に使用しないでください。

Q:リネンのお洗濯について

A:リネンの繊維はペクチンという多糖体で覆われています。そのため、汚れが中まで浸透しにくい構造です。洗濯は常時に従って、洗濯機の場合は水と洗剤をお使いください。柔軟剤は通気性や吸水性が低下してしまい、リネン本来の良さが損なわれますので使用しない方がよいでしょう。

Q:収縮について

A:天然繊維は水で洗うと収縮します。カーテンはサイズが大きいので、収縮が目立ちます。また、天然繊維は常に空気中の水分を吸収・発散を繰り返していますので伸びたり縮んだりしています。呼吸する素材と考えていただければと思います。

カーテンで天然素材をお探しならヴェスタショップで是非ご相談ください。専門スタッフが詳しくご説明いたします。実物にお手に取ってご覧いただければ、ご納得していただけると商品だと思います。