カーテンの種類と選び方｜ドレープ・レース・機能性カーテンの基礎知識【豆知識】

カーテンの「基本の種類」をおさらい

ドレープカーテン（厚地カーテン）とは

一般的な窓まわりは、厚手のカーテンと薄手のカーテンを二重に掛ける「二重吊り」が多く見られます。
外側の厚手カーテンをドレープカーテン（厚地カーテン）、内側の薄手カーテンをレースカーテン（シアーカーテン）と呼びます。

ドレープカーテンは、光や視線をしっかり遮る役割を持つほか、色や柄によってお部屋の印象を決める“主役”のアイテムです。遮光・遮熱などの機能付き生地を選べば、快適さもぐっとアップします。

レースカーテンとは

一般的には、窓側の薄手のカーテンをレースカーテンと呼びますが、本来「レース」は編み物を指す言葉です。薄手カーテン全般という意味では、英語の シアーカーテン（sheer curtain） のほうが近い表現と言えます。

レース（シアー）カーテンは、やわらかく光を通しながら、外からの視線をほどよく遮る役割を持つアイテム。日中の明るさを保ちつつ、プライバシーも守りたいときに欠かせない存在です。

シェード・カフェカーテンなどのスタイルカーテン

ドレープカーテン・レースカーテンのように「ヒダを寄せて横に開け閉めするタイプ」以外にも、形や動き方で楽しめるスタイルカーテンがあります。

代表的なのが シェード と カフェカーテン です。

シェード は、生地を上下にたたみ上げていくタイプのカーテンです。
プレーンシェードのようにフラットな生地がきれいに持ち上がるタイプが一般的で、

• 窓まわりをすっきり見せたい
• 柄物の生地を「面」で見せたい
• 掃き出し窓はカーテン、腰高窓はシェードでそろえたい

といったときによく選ばれます。

カフェカーテン は、窓の一部だけをふんわり隠す短めのカーテンです。
カフェや雑貨屋さんのような雰囲気づくりにぴったりで、

• キッチンや洗面の小窓
• トイレや廊下の目隠し
• 採光は確保しつつ、視線だけカットしたいとき

などに重宝します。

このほかにも、バルーンシェードやスカラップカーテンなど、裾の形やたたみ上げ方で表情を変えるスタイルもあります。
「ふつうのカーテンだけでは物足りない」「小窓をかわいく見せたい」ときは、こういったスタイルカーテンも候補に入れてみると、窓まわりの印象がぐっと楽しくなります。

見た目の違いで選ぶカーテンの種類

カーテンは、生地そのものだけでなく「ヒダの取り方」でも印象が大きく変わります。
ここでは、代表的なスタイルと、それぞれの見え方の違いをご紹介します。

1.5倍ヒダ・2倍ヒダの違い

一般的なカーテンは、「レールの幅に対してどれくらい生地を使うか」で

• 1.5倍ヒダ
• 2倍ヒダ

といった表現をします。

1.5倍ヒダ は、比較的ボリュームを抑えた標準的なスタイル。
日常使いしやすく、すっきりとした印象で、多くのご家庭で採用されています。

2倍ヒダ は、生地をたっぷり使うため、

• ドレープ（ヒダ）の陰影が深く、エレガントに見える
• ホテルライクなお部屋や、リビング・来客スペースに向いている

といった特徴があります。
その分、ボリュームが出るので、狭いお部屋や家具が近い窓では、1.5倍ヒダやフラットのほうが扱いやすい場合もあります。

フラットカーテン

フラットカーテンは、ヒダ山を作らず、上部をまっすぐつまんだシンプルなスタイルです。
開け閉めすると自然なゆるい波が出る程度で、一般的なカーテンよりボリューム感が少なく、すっきりした印象になります。

• 北欧テイストやナチュラルインテリア
• 柄を「布の面」として見せたいとき
• 小さな部屋で、圧迫感を出したくないとき

などにおすすめです。
生地の分量が少ない分、同じ生地でもコストを抑えやすいというメリットもあります。

柄をきれいに見せたいときのおすすめスタイル

大柄のボタニカル柄や幾何学柄、ストライプなどの「柄」を楽しみたいときは、ヒダの取り方にもひと工夫するのがおすすめです。

• 柄をはっきり見せたい → フラットカーテン や 1.5倍ヒダ
• 色の濃淡や無地の風合いを楽しみたい → 1.5倍〜2倍ヒダ
• 柄を“絵”のように見せたい → プレーンシェード（シェードスタイル）

ヒダが多くなるほど、生地がたっぷり寄る分、柄は「部分的に見える」ようになります。
お気に入りのプリント生地を選ぶときは、

• 柄の出方（どこが見えると素敵か）
• ヒダのボリューム
• シェードにするか、カーテンにするか

をセットで考えると、仕上がりのイメージがぐっとつかみやすくなります。

機能で選ぶカーテンの種類

カーテンは見た目だけでなく、「光」「暑さ・寒さ」「音」「外からの視線」など、暮らしの快適さに直結する機能でも選ぶことができます。
ここでは、代表的な機能性カーテンの種類と、どんなお部屋・お悩みに向いているかをまとめます。

遮光カーテンの種類（1級・2級など）

遮光カーテンは、外から入ってくる光をどれくらい遮るかによって「遮光1級・2級・3級」といった等級に分かれています。

• 遮光1級
  ほぼ光を通さず、昼間でもかなり暗く感じるレベル。
  寝室で「しっかり暗くしたい方」や、シアタールームなどに向いています。
• 遮光2級
  明るさは感じるものの、まぶしさはかなりやわらぐレベル。
  朝日や西日をほどよく抑えたいリビング・子ども部屋などに使いやすい遮光度です。
• 遮光3級
  日中の明るさを残しつつ、直射日光のギラつきを軽く抑える程度。
  「真っ暗にはしたくないけれど、少しだけまぶしさをおさえたい」ときに。

同じ遮光1級でも、生地の色や厚みで「体感の暗さ」は変わります。
寝室用には、遮光等級だけでなく

• 生地色（濃色ほど暗く感じやすい）
• 裾から・サイドからの光漏れ対策

もセットで考えると安心です。

遮熱・保温・防音などの機能性カーテン

最近は、生地や裏地の工夫によって、さまざまな“プラスα”の機能を持たせたカーテンも増えています。

• 遮熱カーテン
  太陽光の熱を反射・吸収して、室内に入る熱量を抑えるタイプ。
  南向きのリビングや、西日の強い窓で「夏の暑さがつらい」ときに役立ちます。
• 保温・断熱カーテン
  室内の暖かい空気が窓から逃げるのを抑えるタイプ。
  冬場の冷え込みが気になる窓や、暖房効率を上げたいお部屋に向いています。
• 防音・遮音カーテン
  生地の厚みや特殊なコーティングで、音を通りにくくしたタイプ。
  完全な防音ではありませんが、外からの車の音や、室内から漏れる生活音を少しでもやわらげたいときの「+α」として使われます。
• 防炎カーテン
  万が一、火がついても燃え広がりにくいよう加工されたカーテン。
  高層マンションや、施設・店舗では義務化されているケースもあり、キッチンや子ども部屋で安心のために選ばれることも多くなっています。

どの機能を優先するかは、

• 窓の方角（日当たり）
• 住んでいる地域の気候
• その部屋でどんな時間を過ごすか

によって変わります。「全部入り」を目指すより、気になる悩みに合う機能から優先して選ぶのがおすすめです。

ミラーレース・UVカットレースの特徴

日中のプライバシーや、日焼け対策が気になる方には、レースカーテンの機能にも注目してみてください。

ミラーレースカーテン
外側に光沢糸や特殊な糸を使うことで、日中、外から中が見えにくくなるタイプのレースです。

• 昼間は室内が暗め、屋外が明るいため、鏡のように反射して“中が見えにくい”
• 道路や隣家が近い窓、1階リビング・通りに面した部屋での「視線対策」に有効

ただし、夜・室内の照明をつけた状態では効果が弱くなるため、夜間のプライバシーは厚地カーテン側でしっかり確保する必要があります。

UVカットレースカーテン
紫外線をカットする機能を持ったレースカーテンです。

• フローリングや家具、ラグの日焼けを抑えたい
• 絵画や観葉植物の色あせが心配
• お肌の日焼けが気になる

といったときに選ばれています。
商品によって「UVカット率」が異なるので、どの程度のカット率がほしいかもチェックポイントです。

最近は、ミラーレース＋UVカットを兼ね備えたレースも多く、
「日中の視線対策」と「日焼け対策」を同時にカバーできるタイプも増えています。

カーテンの代わりになる窓まわりアイテム

カーテン以外にも、窓まわりを快適にしてくれるアイテムはいろいろあります。
「すっきり見せたい」「掃除をラクにしたい」「細長い窓をきれいに納めたい」など、目的によってはメカもの（ロールスクリーンやブラインド）のほうが向いているケースもあります。

ここでは、カーテンの代わり・あるいはカーテンと組み合わせて使われることが多い代表的なアイテムをご紹介します。

ロールスクリーン

ロールスクリーンは、一枚の生地をくるくると巻き上げて上下に動かすタイプの窓まわりアイテムです。

・窓まわりをフラットでシンプルに見せたい
・小さめの窓や縦長のスリット窓をすっきり納めたい
・色数を抑えてスタイリッシュな印象にしたい

という方に人気があります。

生地のタイプもさまざまで、日差しをやわらげる採光タイプ、しっかり遮る遮光タイプ、遮熱性に優れた機能性生地など、お部屋の用途に合わせて選べます。

カーテンとの「合わせ技」として、
・枠内にロールスクリーン＋正面にレースカーテン
・寝室は枠内に遮光ロールスクリーン＋手前に装飾性のあるドレープ
といった組み合わせもよく使われるパターン

バーチカルブラインド（縦型ブラインド）

バーチカルブラインド（縦型ブラインド）は、縦長のスラット（帯状の生地）を回転・スライドさせて光や視線をコントロールするアイテムです。

・掃き出し窓が多いリビング
・大きな窓をすっきりホテルライクに見せたい
・「レース＋厚地」の二重カーテンから雰囲気を変えたい

といった方におすすめです。

スラットを回転させることで、
・外からの視線をやわらげながら光を取り入れる
・テレビの映り込みを軽減する
など、細かな調整がしやすいのもポイントです。

細長い縦ラインが強調されるので、天井を高く見せたい空間や、モダン・スタイリッシュなインテリアとも相性が良いアイテムです。

プリーツスクリーン・ハニカムスクリーン

プリーツスクリーン・ハニカムスクリーンは、蛇腹状にたたみ上がる生地で窓を覆うタイプのスクリーンです。和室や小ぶりの腰窓・縦長窓との相性がよく、柔らかい光の入り方が魅力です。

・プリーツスクリーン
…一枚または二枚の生地を上下に動かし、和紙調やファブリック調などでやわらかい雰囲気を演出できます。上部と下部で生地を切り替える「ツインタイプ」にすれば、上からは光を取り入れ、下側は視線をカットする…といった使い方も可能です。

・ハニカムスクリーン
…断面が「ハチの巣状（ハニカム構造）」になっており、生地の中に空気層を持つことで高い断熱性が期待できるタイプです。冬の冷気・夏の熱気を軽減したい窓におすすめで、遮光タイプの生地を選べば寝室や西日の強い部屋にも使いやすくなります。

どちらも、カーテンより出幅が抑えられるため、階段まわりや狭めのスペースにも取り入れやすいアイテムです。

迷ったときのカーテンの選び方のコツ

カーテンや窓まわりアイテムは種類が多く、「結局どれが良いのかわからない…」というお声もよく伺います。
そんなときは、次の３つの視点から整理していくと、候補がぐっと絞りやすくなります。

「部屋の役割」から考える（リビング／寝室／子ども部屋など）

まずは「どの部屋で使うカーテンか」をはっきりさせるところから始めるのがおすすめです。

・リビング
…家族が集まる場所なので、「居心地の良さ」「インテリアとの調和」を最優先に。採光性のあるレース＋ほどよく厚みのあるドレープカーテン、もしくはロールスクリーンやバーチカルブラインドとの組み合わせなど、お好みのテイストに合わせて選びます。

・寝室
…「よく眠れること」「朝のまぶしさ対策」がポイントになります。遮光カーテンや、光漏れを抑える仕様（レール・縫製）を意識して選ぶと、ぐっと快適になります。

・子ども部屋
…日中は明るさ・夜は安心感が大切です。元気な色柄や、将来的に模様替えしやすいシンプルなデザインなど、「成長しても使いやすいか」という視点もあると安心です。

・ワークスペース・書斎
…画面への映り込みや西日のまぶしさ対策も考えながら、採光タイプのロールスクリーンや、視線をほどよくカットするレースなどを組み合わせるケースが増えています。

「誰が・どんな時間帯に・どんなふうに使う部屋か」を整理しておくと、カーテンの候補がだいぶ絞り込めます。

「光の入り方」と方角で考える

次に確認したいのが、窓の向きと光の入り方です。

・東向きの窓
…朝日がしっかり入るので、寝室の場合は遮光カーテンやロールスクリーンを検討される方が多いです。リビングであれば、朝の光を楽しめるよう、やわらかく透けるレース＋中厚のドレープなども人気です。

・南向きの窓
…一日を通して光が入りやすい向きです。レースを「遮熱・UVカットタイプ」にすると、日差し対策と家具の日焼け防止にも役立ちます。

・西向きの窓
…夕方の西日が強く入りやすい向きです。生地の遮光性・遮熱性に加えて、ロールスクリーンやハニカムスクリーンなど、熱を和らげるアイテムも検討すると快適です。

・北向きの窓
…直射日光は少ないものの、どうしても暗くなりがちです。重く見えすぎない色合いや、適度に光を通す生地を選ぶと、暗さを感じにくくなります。

同じカーテンでも、「どの方角の窓に掛けるか」で体感が大きく変わります。図面やコンパスアプリなどで方角を確認しておくと、より現実的にイメージしやすくなります。

ショールームで実物を見て決めるメリット（ヴェスタショップのご案内）

カタログやネットの写真だけでは、
・生地の厚み
・色味や光の通り方
・開け閉めのしやすさ
などが、なかなかイメージしづらいものです。

ショールームで実物をご覧いただくと、

・昼と夜での見え方の違い
・レースとドレープを重ねたときの透け感
・ロールスクリーンやバーチカルブラインドの動かしやすさ
・お部屋の天井高とカーテン丈のバランス

といったポイントを、その場で体感しながら選ぶことができます。

ヴェスタショップのショールームでは、
お客様のお住まいの図面やお部屋のお写真を拝見しながら、
窓のサイズ・方角・ライフスタイルに合わせて、カーテンやロールスクリーンなどをトータルでご提案しています。

「カタログだと違いがよくわからない…」
「カーテンとメカもの、どちらが良いか迷っている」

というときこそ、一度ご相談いただくとスッキリしやすいところです。
ご来店はご予約制ですので、じっくりご相談されたい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。