梅雨のカーテン、カビさせない!原因と対策【窓コラム】
じめじめとした梅雨の季節がやってきましたね。雨の日が続くと、気分だけでなくお家のあちこちも気になるもの。特に窓辺のカーテン、「なんだかジメッとしてる…もしかしてカビ?」なんて不安を感じていませんか?
カーテンはお部屋の印象を大きく左右し、快適な空間作りには欠かせない大切なインテリアです。でも、湿気が多いこの時期は、残念ながらカビの発生リスクが高まってしまうんです。
今回は、そんな梅雨時期の悩みのタネ、「カーテンのカビ」について、その原因からご家庭でできる簡単な予防策、そして万が一カビてしまった時の対処法まで、わかりやすく解説していきます。この記事を読んで、「なるほど!」と思っていただけたら嬉しいです。

梅雨時期にカーテンがカビやすい原因とメカニズム
「うちのカーテン、どうしてカビちゃったんだろう…」そう思う前に、まずはカビが発生する基本的なメカニズムを知っておきましょう。

カビが繁殖する「3大条件」とは?
カビ菌は実は私たちの身の回りの空気中に常に漂っています。そして、以下の3つの条件が揃うと、目に見える形で活動を始めてしまうのです。
- 温度:一般的に20℃~30℃くらいがカビにとって最も活発に活動しやすい温度です。梅雨時期の室温はまさにこの範囲内ですね。
- 湿度:湿度が70%を超えると発生しやすくなり、80%以上になると一気に繁殖が進みます。梅雨のジメジメ感は、カビにとって最高の環境なんです。
- 栄養源:カビは、ホコリや繊維、食べこぼし、人の皮脂など、あらゆるものを栄養にしてしまいます。カーテンに付着した見えない汚れも、カビのご馳走になることがあるのです。
梅雨の窓辺はカビにとって天国!
これらの条件を踏まえると、梅雨時期の窓辺がいかにカビにとって好都合な場所かが見えてきます。
- 窓ガラスの結露:外気との温度差で窓ガラスに水滴がつく「結露」。これがカーテンに付着すると、カーテン自体が湿ってしまいます。
- 室内の湿気:雨で窓を閉め切ることが多くなると、室内の湿気がこもりやすくなります。
- カーテンの汚れ:普段あまり意識しないかもしれませんが、カーテンには室内のホコリや窓から入ってくる細かなチリが付着しています。これらが湿気と結びつくと、カビの栄養源となってしまうのです。
見落としがち!カーテンレールや窓枠もカビの発生源に
カーテン本体だけでなく、カーテンレールの上や窓枠の隅も、ホコリが溜まりやすく湿気がこもりやすい場所。ここからカビが発生し、カーテンに移ってしまうケースも少なくありません。

カビのメカニズムがわかったところで、次は具体的な予防策です。ちょっとした心がけで、カビの発生リスクをぐっと減らすことができますよ。
カビを発生させない!今日からできる【5つの簡単予防策】
カビのメカニズムがわかったところで、次は具体的な予防策です。ちょっとした心がけで、カビの発生リスクをぐっと減らすことができますよ。
【基本のキ】こまめな換気で湿気を追い出す!
何よりも大切なのは、室内の湿気を外に逃がすこと。
- 効果的な換気:晴れた日はもちろん、雨の日でも数分間、対角線上にある2か所の窓を開けると効率よく空気が入れ替わります。難しい場合は、換気扇を回すだけでも効果があります。
- 空気の循環:サーキュレーターや扇風機を使って、室内の空気を動かすのもおすすめです。壁際や部屋の隅など、空気がよどみやすい場所に向けて風を送ると、湿気がこもるのを防げます。
結露はカビの直接原因!見つけたらすぐ拭き取り
窓ガラスの結露は、カーテンを濡らしカビを招く最大の原因の一つ。
- こまめに拭く:朝起きた時など、結露を見つけたらすぐに乾いた布や結露取りワイパーで拭き取りましょう。
- 便利アイテム:結露防止シートを窓に貼ったり、結露吸水テープを使ったりするのも手軽で効果的です。サッシの溝に溜まった水分も忘れずに拭いてくださいね。
カーテンと窓の間に「空気の通り道」を作る
カーテンが窓ガラスや壁にピッタリとくっついていると、その間の空気がよどんで湿気が溜まりやすくなります。
- 少しの隙間を意識:カーテンを開け閉めする際に、少し窓から離すように心がけたり、厚手のドレープカーテンとレースカーテンの間に少し空間ができるように調整したりするだけでも違います。
ホコリはカビの栄養源!定期的なお手入れを習慣に
カーテンに付着したホコリは、カビにとって格好の栄養。
- 掃除機やブラシで:月に1~2回程度、カーテンの表面を掃除機のブラシノズルで吸ったり、洋服ブラシで優しくホコリを払ったりしましょう。
- 洗濯も効果的:ウォッシャブルタイプのカーテンなら、年に1~2回、洗濯表示に従って洗濯するのもおすすめです。さっぱりして気持ちいいですよ。

除湿アイテムを賢く活用!
室内の湿度コントロールには、便利なアイテムも役立ちます。
- 除湿機・除湿剤:リビングや寝室など、特に湿気が気になる場所には除湿機を。クローゼットや押し入れ、そして窓際に置き型の除湿剤や吊り下げ型の除湿剤を置くのも効果的です。
- エアコンの除湿機能:エアコンの「除湿(ドライ)」機能も、梅雨時期には積極的に活用しましょう。

ショック…カーテンにカビが!発生した場合の対処法と注意点

どんなに気をつけていても、うっかりカビが発生してしまうこともあります。そんな時は慌てずに、まずは状況を確認しましょう。
まずは落ち着いて!カビの状態とカーテンの素材を確認
カビを発見したら、まずカーテンの洗濯表示ラベルを必ず確認してください。「水洗い可か」「漂白剤は使えるか」など、素材によってお手入れ方法が異なります。
また、カビが表面にうっすらと付いている程度なのか、繊維の奥まで根深く広がっているのか、範囲はどのくらいか、といった状態を見極めることも大切です。
初期の軽いカビなら自分でできる!素材別カビ取り方法
カビが広範囲でなく、素材が許せばご家庭での対処も可能です。
- ポリエステルなど化学繊維の場合:比較的お手入れしやすい素材です。おしゃれ着用の中性洗剤で優しく手洗いするか、洗濯機の手洗いコースで洗いましょう。落ちにくい場合は、酸素系漂白剤(色柄物にも使えるタイプ)を薄めて使い、しっかりすすぎます。
- 天然素材(綿・麻など)の場合:デリケートな素材なので注意が必要です。色落ちや縮みのリスクがあるため、まずは目立たない場所で試してから行いましょう。中性洗剤を使い、優しく部分洗いするのが基本です。漂白剤の使用は慎重に。
- カビ取りスプレー使用時の注意:市販のカビ取りスプレーを使用する場合は、必ずカーテンの素材に使えるか確認し、目立たない部分で試してから全体に使いましょう。使用中は十分に換気を行い、ゴム手袋やマスクを着用してください。
これはNG!間違ったカビ取り方法
良かれと思ってやったことが、かえってカーテンを傷めてしまうことも。
- ゴシゴシ強くこする:生地が毛羽立ったり、破れたりする原因になります。
- 塩素系漂白剤の色柄物への使用:色落ちしてしまう可能性が非常に高いので避けましょう。白い無地のカーテンであっても、素材によっては変質することがあります。
手に負えない頑固なカビはプロに相談も検討
自分で試してみてもカビが落ちない場合や、デリケートな素材でお手入れが難しい場合は、無理せずプロに任せるのが安心です。
カーテン専門のクリーニング店に相談してみましょう。場合によっては、残念ながら買い替えを検討した方が良いケースもあります。
カビが発生するのはカーテンの問題ではない
梅雨の時期になると気になるカーテンのカビ。「うちのカーテン、カビやすいのかしら…」なんて、ついカーテンの素材や種類を疑ってしまいがちですよね。でも、ちょっと待ってください!
カビが発生する根本的な原因は、カーテンそのものではなく、「カビが育ちやすい条件が揃ってしまったお部屋の環境」にあることが多いんです。
考えてみてください。カビ菌というのは、実は私たちの身の回りの空気中に、目には見えないけれど常にフワフワと漂っています。普段は特に悪さをしないのですが、彼らが「ここだ!」とばかりに活発になり、目に見える姿を現すには、いくつかの”お気に入り”の条件が必要なのです。
それはまるで、植物が育つのに太陽の光、水、栄養が必要なように、カビも「適度な温度」「高い湿度」「栄養源(ホコリなど)」という3つのご馳走が揃うと、元気に成長を始めてしまいます。
- 窓ガラスは外気との温度差で結露しやすく、カーテンを濡らしてしまいます(→ 湿度アップ!)
- 雨の日が続くと窓を閉め切りがちで、お部屋の湿気がこもってしまいます(→ さらに湿度アップ!)。
- そして、カーテンには気づかないうちにホコリや細かな汚れが付着しています(→ カビの栄養ゲット!)。
そう、梅雨時期の窓辺は、カビにとって「ここは最高のレストランだ!」と言わんばかりの、三ツ星級の環境になりやすいのです。カーテンが特別悪いわけではなく、カビが好む条件がうっかり整ってしまった結果、カビが発生してしまう、というわけなんですね。
だから、カビ対策で大切なのは、カーテンを買い替えることだけではありません。いかにしてお部屋の環境を「カビが住みにくい場所」に変えていくか、という視点がとても重要になってくるのです。
いかがでしょうか。カビは発生してしまうととても厄介です。今から対策して、決してカビさせない。特に、カーテンが窓ガラスに直接触れないようにするだけでも効果は大きいです。こまめな湿度対策やお手入れと合わせて、ぜひ実践してみてください。