ウィリアムモリス『いちご泥棒』カーテン4社比較|マナ・川島織物セルコン・リリカラ・サンゲツの違い【窓コラム】
ウィリアムモリス『いちご泥棒』ってどんな柄?
ウィリアム・モリスの数あるデザインの中でも、もっとも有名なのが『いちご泥棒(Strawberry Thief)』。
モリスが夏の別荘「ケルムスコット・マナー」の庭で、いちごをついばむ小鳥たちを見て着想を得た柄と言われています。左右対称のパターンが続くクラシカルなデザインで、壁紙やファブリックとして今も世界中で愛されています。
最近は、国内メーカー各社からも『いちご泥棒』のカーテンが発売され、
- 「どれを選べばいいの?」
- 「違いがよくわからない」
というお声をいただくことが増えました。そこでこの記事では、同じ『いちご泥棒』でも何が違うのか を、カーテン専門店の立場からわかりやすく整理してご紹介します。
4社の『いちご泥棒』カーテンを比較
ここでは、以下の4社の『いちご泥棒』カーテンを取り上げます。
- マナトレーディング(MORRIS & Co. 輸入ファブリック)
- 川島織物セルコン(Morris Design Studio)
- リリカラ(V&A 監修コレクション)
- サンゲツ(MORRIS CHRONICLES)
同じ柄でも、「生地の素材」「織り方」「柄の大きさ」「色のニュアンス」がそれぞれ異なります。
マナトレーディング|オリジナルに近い“インポート感”
マナトレーディングは、イギリスからコットン100%のプリント生地を輸入しています。多色使いのプリントならではの発色の良さが大きな魅力で、「これぞモリス」といったクラシカルな雰囲気をしっかり味わえる生地です。
- 素材:綿100%(プリント)
- 生地巾:約138cm
- 柄リピート:タテ約53cm/ヨコ約46cm(生地巾に3柄)
メリット
- オリジナルに近い雰囲気と色の深み
- 光を少し透かす、やわらかなコットンの質感
- 「本場のモリスらしさ」を求める方には満足度が高い
気をつけたい点
- 防炎品にする場合は後加工が必要(風合い・色に変化が出る場合あり)
- 家庭での洗濯は難しく、クリーニング前提
- コットンなので、ポリエステルに比べるとシワや縮みが出やすい
こんな方に◎
- 「モリスの世界観をできるだけ忠実に楽しみたい」
- ヨーロッパの雰囲気が好きで、インテリアに“味”を出したい
- リビングや書斎など、特別な一部屋をとことんこだわりたい


川島織物セルコン Morris Design Studio|重厚感のあるジャガード織
川島織物セルコンの『モリスデザインスタジオ』は、サンダーソン・デザイングループのライセンスのもと、ジャガード織物でモリスの柄を再現したシリーズです。高密度に織られた生地は、ほどよい厚みと立体感があり、カーテンとして掛けたときの存在感は抜群です。埼玉県のオーダーカーテン専門店|さいたま市・浦和・坂戸・ふじみ野・越谷+1
- 素材:ポリエステル100%(ジャガード織)
- 生地巾:約139cm
- 柄リピート:タテ約40.4cm/ヨコ約34.8cm(生地巾に4柄)
プリントのマナに比べると柄は一回り小さく、日本の住宅に合わせてスケール調整されているのもポイント。縫製も「filo縫製」というワンランク上の仕様で、仕上がりの美しさにこだわった商品です。
メリット
- 糸の色数が多く、織りならではの奥行きと高級感
- 国産ポリエステルなので、ウォッシャブル・防炎対応もしやすい
- 柄がやや小さめで、日本の住宅にバランスよくおさまる
気をつけたい点
- 生地にボリュームがあるため、軽やかさより「重厚感」寄り
- 価格帯は4社の中でも上位クラス
こんな方に◎
- ホテルライクな重厚感・高級感を出したい
- 吹き抜けや天井高のあるリビング、クラシカルなインテリアに合わせたい
- 毎日の開け閉めやお手入れのしやすさも重視したい


リリカラ V&A|落ち着いた色味で取り入れやすい
リリカラの『いちご泥棒』は、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)監修のコレクション。こちらもジャガード織のポリエステル生地ですが、川島織物セルコンに比べると密度はややライトで、カーテンとしては十分な厚みを持ちつつ、少し軽やかな印象です。
- 素材:ポリエステル100%(ジャガード織)
- 生地巾:約138cm
- 柄リピート:タテ約41.5cm/ヨコ約34.5cm(生地巾に4柄)
色合いは、ややブルー寄りのクールでグレイッシュなトーン。最近の日本のインテリアで多い、グレーやホワイトを基調とした空間に合わせやすい配色です。価格も4社の中では手が届きやすい設定になっているのが嬉しいところです。(具体的な価格は時期により変わるため、ショールームで最新情報をご確認ください。)
メリット
- 落ち着いた色味で、ナチュラルモダンな空間にも合わせやすい
- 日本の住宅スケールに合う柄サイズ
- 比較的取り入れやすい価格帯
気をつけたい点
- 川島織物セルコンに比べると、織りの密度・厚みは少し軽め
- インテリアを「がっつりクラシカル」にしたい場合は、マナや川島の方が雰囲気が合うことも
こんな方に◎
- 「モリスは好きだけど、重すぎる雰囲気にはしたくない」
- グレイッシュなインテリア+アクセントとしてモリスを取り入れたい
- なるべく予算を抑えつつ、『いちご泥棒』を楽しみたい

サンゲツ MORRIS CHRONICLES|柄が大きめで華やかな存在感
サンゲツは2021年にサンダーソン・デザイングループとデザイン契約を締結し、東アジア・東南アジアでの「MORRIS & Co.」ライセンスを取得しました。
『MORRIS CHRONICLES』の『いちご泥棒』は、日本の住宅向けにリデザインされたファブリック。
- 素材:ポリエステル100%(織物)
- 生地巾:約150cm
- 柄リピート:タテ約60cm/ヨコ約50cm(生地巾に3柄)
と、4社の中でも柄サイズが大きめで、「鳥が大きい!」という印象を持たれることが多い生地です。
メリット
- 柄が大きく、1枚掛けただけで空間の主役になる華やかさ
- 現代的な色味や光沢感があり、クラシカルになりすぎない
- 巾150cmなので、大きな窓でも巾継ぎを少なくできる場合がある
気をつけたい点
- 柄が大きい分、小さな窓だと柄の出方に工夫が必要なことも
- 「落ち着いたクラシカル」というより、「モダン寄りのモリス」な印象
こんな方に◎
- 1面だけアクセントとして、『いちご泥棒』を大胆に楽しみたい
- 明るめ・モダンなインテリアに合わせたい
- 若い世代で、クラシカルすぎないモリスを探している


『いちご泥棒』カーテンの選び方|チェックしたい4つのポイント
4社の違いをざっと見てきましたが、「結局どれを選べばいいの?」という方のために、選ぶときに見ていただきたいポイントを整理します。
① 生地の質感(プリントか、ジャガード織か)
- コットンのプリント(マナ)
→ くっきりとした柄と柔らかな質感。オリジナルに近い雰囲気を楽しみたい方向け。 - ポリエステルのジャガード織(川島・リリカラ・サンゲツ)
→ 立体感・高級感と、お手入れのしやすさ(ウォッシャブル・防炎対応)が魅力。
「雰囲気重視ならコットン」「日常のお手入れや機能性も重視するならポリエステル」と考えるとわかりやすいです。
② 柄の大きさと、お部屋とのバランス
- 柄が大きめ:マナ、サンゲツ
- 柄が一回り小さめ:川島織物セルコン、リリカラ
天井高のあるリビングや大きな掃き出し窓なら、柄大きめも映えます。
一方で、腰窓や一般的な天井高のお部屋では、柄を少し小さめにした方がバランスよくおさまることもあります。
③ 色味とインテリアのテイスト
- あざやかでクラシカルな発色 … マナ
- 色数が多く奥行きのある色 … 川島織物セルコン
- グレイッシュで落ち着いたトーン … リリカラ
- ややモダン寄り・明るめの配色 … サンゲツ
床や壁、家具の色との相性で選ぶと失敗しにくくなります。
「こんな雰囲気にしたい」というお部屋の写真を持ってきていただくと、より具体的にご提案できます。
④ 予算と、お手入れのしやすさ
- コットン(マナ)はドライクリーニング前提
- ポリエステル(川島・リリカラ・サンゲツ)は、商品によってはウォッシャブル・防炎対応も可能
価格帯はグレードや縫製仕様によって変わりますので、ショールームで実物サンプルとあわせてご案内しています。
専門店で比較すると、ここまでわかる
写真やスペックだけでは、どうしても伝わりにくいのが「生地の厚み」「光の透け方」「実際の色合い」。
ヴェスタショップでは、
- 4社の『いちご泥棒』実物サンプルが確認できる
- お部屋の図面や写真を見ながら、サイズ・スタイルまで一緒に検討できる
- 既存のカーテンレール・窓まわりの状況もふまえてご提案
といった形で、“カタログの見比べ”から一歩踏み込んだ比較検討をお手伝いしています。
モリスカーテンについて相談したい方へ
- 「モリスのカーテンに憧れはあるけれど、どれが自分の家に合うのかわからない」
- 「せっかくなら長く大切にできる一枚を選びたい」
という方は、ぜひ一度ショールームでご相談ください。
ご予約のうえご来店いただければ、お部屋の用途やお好みのテイスト、ご予算に合わせて、4社の『いちご泥棒』を実物サンプルで比較しながらご案内いたします。
ウィリアムモリスの世界を、お部屋いっぱいに広げてみませんか。



