遮光カーテン1級の完全ガイド|効果、デメリット、光漏れ対策の全て【豆知識】

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はじめに:その遮光カーテン、本当に「真っ暗」ですか?

「遮光カーテンを選んだのに、思ったよりも明るい…」
そんな経験はありませんか?
多くの方が「等級が低かったのかな?」と考えがちですが、実は、たとえ最高ランクの「1級遮光」を選んでも、この悩みは起こり得ます。
その最大の原因は、カーテン生地の性能ではなく、窓に取り付けた際にどうしてもできてしまう「隙間からの光漏れ」なのです。
この記事では、私たち窓装飾のプロが、後悔しないためのカーテン選びの知識はもちろん、この「光漏れ」を完全に防ぐための具体的な対策まで、余すところなくお伝えします。
今回は、遮光カーテン選びで後悔しないための情報をすべて詰め込みました。どうぞ、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

遮光カーテンは光を遮るだけでなく、遮熱の効果もきたいできます
遮光カーテンは光を遮るだけでなく、遮熱の効果もきたいできます

まずは基本から|遮光カーテン1級とは?

そもそも遮光カーテンとは、外からの光を遮り、室内を暗くするための高機能カーテンです。一般的なカーテンとは違い、日本インテリアファブリックス協会によって性能を示す「遮光等級」が定められており、この等級によって光を遮る性能が異なります。

遮光率だけじゃない!1級・2級・3級の本当の違い

遮光等級は、光の通しにくさによって1級から3級まであり、数字が小さいほど遮光性能が高くなります。
それぞれの遮光率と、室内での見え方の目安は以下の通りです。

遮光率99.99%以上を誇る1級は、人の顔の表情が認識できないほど室内を暗くできるため、寝室やシアタールームなど、完璧な暗さを求める空間に最適です。
一方、2級はわずかに光を通し、人の顔や表情がわかるレベル。日中はほどよく明るさが欲しいリビングなどに向いています。3級は遮光と名が付いていますが、事務作業には支障があるほどで、比較的明るいと感じられることが多いでしょう。

遮光3級は以外に光を通します
遮光3級は以外に光を通しますね

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プライバシーを保護するために遮像カーテンをお探しならヴェスタショップにご相談ください。プロが無料でアドバイスします。もちろんお見積りは無料です。

プロだけが知る?実は細かい「遮光1級」の5段階レベル

遮光1級を5段階に分類
遮光1級を5段階に分類

実は、遮光率99.99%以上と定められている「遮光1級」の中にも、生地の光の通しにくさによって、さらにA++からCまでの5段階のレベルが存在します。これは、非常に敏感な人間の目に配慮した、より細かい基準です。
最高ランクの「A++」は生地からほとんど光を感じませんが(A++はかなりレア)、一般的な遮光1級の生地は「C」ランクであることが多いのが実情です。

【プロの豆知識】最高ランクのA++は、裏面に樹脂コーティング等を施した特殊生地がほとんど。最高の遮光性を発揮する反面、ご家庭で洗濯できないことが多い、という点は覚えておきましょう。

プロが明かす!遮光カーテン1級のメリットと意外な落とし穴

遮光1級カーテンは、その非常に高い遮光率で、暮らしに多くの恩恵をもたらしてくれます。しかし、購入してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、プロの視点からメリットと、そして意外な「落とし穴」を正直にお伝えします。

メリット:睡眠の質向上から省エネまで、暮らしが変わる4つの効果

  • 質の高い睡眠をサポート:朝日や街灯の光をほとんど遮断するため、寝室環境が劇的に向上します。昼間に休息を取りたい方や、夜勤のある方には特に欠かせないアイテムです。
  • プライバシーの完璧な保護:夜間に室内の照明をつけても、外から中の様子が透けて見えることはほぼありません。人通りの多い道に面した窓でも、安心して過ごせます。
  • 冷暖房効率を高める「省エネ効果」:生地の密度が高いため、窓からの熱の出入りを防ぎます。夏は外からの熱気を、冬は室内の暖気を逃しにくくし、冷暖房の効率をアップさせます。
  • 大切な家具や床を日焼けから守る: 強力な紫外線(UV)をカットするため、フローリングや家具、畳などの色褪せや劣化を防ぐ効果も期待できます。

注意点①:一般的な遮光生地の「色の見え方」と「質感」

「明るい色の遮光カーテンなのに、なぜか色がくすんで見える…」
その主な原因は、生地の緯糸(よこいと)にあります。多くの遮光生地は、高い性能を出すために横方向に走る緯糸に黒い糸を織り込んでいるため、表面の明るい色が少しだけ暗く、あるいは濁ったように見えるのです。しかし、最近では繊維技術の進化も目覚ましく、黒い糸を使わなくても高い遮光性を保てる、発色の良い生地も次々と登場しています。黒糸に頼らない、発色の良い明るい生地も増えています。

当店ヴェスタショップでも、こうした美しい色合いの新作遮光カーテンを多数展示しておりますので、ぜひその違いを確かめにご相談ください。

注意点②:【高性能タイプ】バックコーティング生地のメリットと注意点

「明るい色の遮光カーテンなのに、なぜか色がくすんで見える…」
その主な原因は、生地の緯糸(よこいと)にあります。多くの遮光生地は、高い性能を出すために横方向に走る緯糸に黒い糸を織り込んでいるため、表面の明るい色が少しだけ暗く、あるいは濁ったように見えるのです。しかし、最近では繊維技術の進化も目覚ましく、黒い糸を使わなくても高い遮光性を保てる、発色の良い生地も次々と登場しています。黒糸に頼らない、発色の良い明るい生地も増えています。当店ヴェスタショップでも、こうした美しい色合いの新作遮光カーテンを多数展示しておりますので、ぜひその違いを確かめにご相談ください。

注意点③:1級でも完璧ではない!「光漏れ」という最大の敵

そして、ここが3つの注意点の中で、お客様から最もご相談の多いポイントです。
1級遮光の生地は、それ自体が完璧に光を遮るからこそ、カーテンの上下や両サイドのわずかな隙間から漏れる光が、かえって一本の鋭い光線のように際立って気になってしまう。
これこそが、購入後に「こんなはずじゃなかった」と感じてしまう最大の原因、「光漏れ」の正体です。
しかし、ご安心ください。この気になる光漏れを上手に抑え、お部屋での時間をより快適なものにするための具体的な方法があります。それこそが、私たち窓装飾プランナーの知識と経験が活きる場面です。
次の章では、そのための具体的なヒントと工夫を、一つひとつ丁寧に解説していきます。

【最重要】プロが実践する「光漏れ」完全対策ガイド

カーテンの生地が光を遮る性能を持っていても、取り付け方次第で光は漏れてしまいます。光漏れ対策の基本は、カーテンで「窓だけを覆う」のではなく「窓全体を包み込む」という意識を持つことです。

原因は4つの「隙間」!光はどこから漏れるのか?

「せっかく遮光カーテンにしたのに、隙間からの光が逆に目立って気になる…」
そう、カーテンは壁から少し手前に吊るされているため、どうしても壁との間に隙間が生まれます。主な光漏れの原因は、以下の4箇所です。

  • ① カーテンレールの上部
  • ② カーテンと壁の間(両サイド)
  • ③ 左右のカーテンの合わせ目(中央)
  • ④ カーテンの裾と床(または窓台)の間


この4つの隙間を、プロの技術でどのように塞いでいくのか。具体的な方法をご紹介します。

対策①【上から】の光は「カバートップ」で防ぐ

カーテンレール上部にカバートップ
カーテンレール上部にカバートップ

窓の上にカーテンレールを取り付ける(正面付け)場合、レールと壁の間、そしてレール本体の上部から光が漏れてしまいます。
この上部からの光漏れに最も効果的なのが、レールの上を覆う「カバートップ(後付け可能なレールカバー)」です。これがあるだけで、上からの光を劇的に減らすことができます。
※カーテンボックスがある場合や、レールを天井に直接取り付ける「天井付け」の場合は、この上部からの光漏れはほとんどありません。

対策②【横から】の光は「リターン縫製」と「サイズ選び」で断つ

両サイドからの光漏れは、眠りの質にも大きく影響する厄介な光です。これには二つの対策が有効です。

リターン縫製(リターン仕様)

カーテンの両端を壁側(窓枠側)に折り返して固定し、カーテンと壁の隙間に「フタ」をする縫製方法です。これは非常に効果が高く、私たちプロが最もお勧めする対策の一つです。
一回り大きいサイズで注文する。

窓に対してのカーテンサイズ

カーテンの幅を、レールや窓枠の幅よりも左右に10cm~15cmほど長く作ることで、窓全体をしっかりと覆い、横からの光漏れを大幅に減らすことができます。

対策③【中央から】の光は「マグネットランナー」で閉じる

左右のカーテンの合わせ目から光が漏れる場合は、中央のランナーを磁石で引き合う「マグネットランナー」に交換するのが効果的です。これにより、カーテンが中央で隙間なくピタッと閉じ、光漏れを防ぎます。

お部屋の用途ごとに見つける、あなただけの「最適解」

カーテン選びで最も大切なのは、カタログのスペック(性能)と、あなたの「暮らし」を繋げて考えることです。ここでは、お部屋の用途ごとに、どのような視点でカーテンを選べば暮らしがより豊かになるか、プロのヒントをお伝えします。

寝室・書斎:一日の始まりと終わり、そして集中力をデザインする

寝室

一日の疲れを癒し、心身をリセットする寝室。もしあなたが光に敏感で、深い眠りを求めるなら、「遮光1級」の生地に「光漏れ対策」を組み合わせるのが理想です。
色選びも大切で、心と体を落ち着かせる鎮静効果のあるブルーやグレー系は寝室に人気のカラー。ただし、寒色系はお部屋を涼しく感じさせる効果もあるため、季節ごとにカーテンを掛け替えて、色の効果を楽しむのも上級者のテクニックです。

スミノエ:U5318
スミノエ:U5318

スミノエ:U5318 ナチュラルな杢の表情を持つ光沢の美しい遮光1級カーテンです。

リリカラ:ET914
リリカラ:ET914

リリカラ:ET914  レザー調のエンボスを施したリーズナブルな遮光1級カーテン。

書斎

仕事や勉強に集中したい書斎では、必ずしも完全な暗闇が必要なわけではありません。むしろ大切なのは、パソコンモニターへの光の反射(グレア)を防ぐこと。
その場合は、遮光性能にこだわりすぎるよりも、反射を抑えるマットな質感の生地や、集中力を高めるとされる寒色系のダークカラーなどを選ぶのも一つの「最適解」です。

遮光カーテンならお気軽にご相談ください

ヴェスタショップは、デザイン性の高い遮光カーテンを多くセレクトして展示しています。気になったらお気軽にご相談ください。プロが無料でアドバイスします。もちろんお見積りは無料です。

リビング:家族が集う「家の顔」の昼と夜を演出する

家族が集まり、時にはお客様をもてなすリビングは、まさに「家の顔」。ここで遮光カーテンを選ぶ方の多くが重視されるのは、「夜間のプライバシー保護」です。外からの視線を気にせず、家族団らんの時間を過ごしたいというニーズは非常に高いです。

一方で、日中は柔らかな光を取り込み、明るく開放的な空間にしたいもの。そのため、リビングでは圧迫感のない明るい色の「遮光2級」や、デザイン性の高い「遮光1級」を選び、昼の雰囲気と夜の安心感を両立させるのがお勧めです。

フジエテキスタイル:ヴァルムFA6304NL
フジエテキスタイル:ヴァルムFA6304NL

フジエテキスタイルのヴァルムFA6304NLは、ウールライクのリッチな素材感のある遮光カーテン。ニュートラルカラーは素材感が重要です。こちらのNLカラーは遮光2級です。

フィンレイソン: アンヌッカK1005
フィンレイソン: アンヌッカK1005

こちらはアスワンのブランドコレクションから、フィンレイソンのアンヌッカという柄の遮光カーテンです。70年代のヴィンテージな雰囲気と、現代的な洗練されたデザインが融合した魅力的なパターンです。北欧インテリアにおすすめの個性的な遮光カーテンです。

東リ:TKF30125 他に2配色あります
東リ:TKF30125 他に2配色あります

こちらは窓のガラスに当たった雨つぶが丸く凍って、それが重なって窓に広がっていく様をデザインした遮光カーテンです。

子ども部屋:健やかな成長を光でサポートする

子ども部屋のカーテン選びは、お子様の健やかな成長をサポートするという視点が大切です。
体内時計を整えるためにも、朝は太陽の光を浴びて気持ちよく目覚めるのが理想。そのため、あえて完全な暗闇にはせず、柔らかな光を通す「遮光2級」や、非遮光のカーテンを選ぶのがお勧めです。

お子様の年齢に合わせて、創造性を育むカラフルで楽しいデザインを選んであげるのも、インテリアが持つ素晴らしい力の一つです。

リリカラ:ET867ピンク
リリカラ:ET867ピンク

リリカラ:ET867・ET868 miffy ミッフィーデザインの遮光カーテン。手描き風のドットの中にミッフィーシルエットが隠れています。シャーベットカラーがかわいい。

リリカラ:ET868
リリカラ:ET868

まとめ:後悔しない遮光カーテン選びで、快適な毎日を

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
遮光カーテンは、等級や生地の種類、そして取り付け方で、その効果が大きく変わる、非常に奥が深いアイテムです。

最後に、後悔しないためのポイントを3つだけ、もう一度おさらいしましょう。
1.「1級」でも「明るい」と感じる原因は、生地ではなく「光漏れ」にあること。
2.その「光漏れ」は、プロの知識と技術(リターン縫製など)で、上手に抑えられること。
3.最も大切なのは、あなたの暮らしに寄り添い、毎日を豊かにしてくれる一枚を選ぶこと。

この記事が、あなたのカーテン選びの確かな道しるべとなれば、これほど嬉しいことはありません。
もし、あなただけの「最適解」を見つけるお手伝いが必要でしたら、いつでも私たちヴェスタショップにご相談ください。素敵な遮光カーテンをたくさん揃えて、あなたのお越しを心よりお待ちしております。もちろん、ご相談・お見積りは無料です。