【枠内設置で失敗しない】カーテンの採寸・選び方完全ガイド【豆知識】

「窓まわりをスッキリ見せたいから、カーテンやロールスクリーンを窓枠の内側(枠内/天井付け)に設置したい」そうお考えではありませんか?

枠内設置は、窓まわりが壁面とフラットになり見た目がおしゃれになる一方で、「採寸が少しでも狂うと取り付けられない」「製品選びを間違えると使い勝手が悪くなる」といった、失敗リスクが高い設置方法でもあります。

本記事は、ヴェスタショップがこれまで培ってきたノウハウをもとに、枠内設置で後悔しないためのノウハウをすべて解説する完全ガイドです。

  • 【失敗しない】 枠内設置のメリット・デメリットと、避けるべき落とし穴
  • 【製品選び】 ロールスクリーン・シェード・カーテンレールなど、アイテムごとの適性
  • 【完璧な採寸】 失敗をゼロにする正確な計測手順と、製品ごとの減寸のルール

この記事を読めば、あなたの窓にぴったりの枠内アイテムを見つけ、スッキリとした理想の空間を手に入れられます。ぜひ、失敗を防ぐための手順をチェックしてみてください。


1.枠内天付けを選ぶメリット

1-1. 窓周りがスッキリ見える (デザイン面)

窓枠内に設置することで、窓周りが壁面とフラットな状態になり、部屋全体がスッキリと洗練された印象になります。特に、ロールスクリーンやブラインドといったメカ物は、その効果が顕著です。

ブラインド:枠内にしてスッキリ取り付けます
ブラインド:枠内にしてスッキリ取り付けます

1-2. 窓周りの空間を有効に使える (機能面)

窓枠内に設置することで、窓周りのデッドスペースを有効活用できます。特に窓の近くにエアコンクローゼットがある場合、枠外設置(正面付け)だと干渉する可能性がありますが、枠内設置なら心配ありません。窓台に小物などを置きたい場合にもおすすめです。

ロールスクリーン:デスク前は枠内なら干渉しません
ロールスクリーン:デスク前は枠内なら干渉しません

1-3. 天井の高さを活かせる (開放感)

カーテンレールを窓枠内ではなく、室内の高い位置にある天井に取り付ける場合は、カーテンを床までの長さで吊るすことで、視覚的に部屋の天井の高さを強調できます。これにより、部屋全体の開放感やドレープの豪華さが増します。

天井付けするシーリングレール『シエロクラウド』+カーテンにすると天井が高く感じる
天井付けするシーリングレール『シエロクラウド』+カーテンにすると天井が高く感じる

2.枠内設置の注意すべきデメリットと後悔しないための対策

2-1.枠内設置は隙間ができる

枠内付けにする場合、枠内の寸法よりも取り付けする製品サイズは小さく製作します。通常はメカ製品は枠内寸法よりもマイナス1㎝程度にします。マイナス1㎝ということは、両側5㎜ずつ隙間ができるということになります。

2-2.ブラインド類は開けた時にたたみ代で窓を塞いでしまう

特に、木製ブラインドやバーチカルブラインドではたたみ代が大きくなる傾向があります。木製ブラインドも同様にたたみ代があります。写真のように窓枠内に取り付けした場合に全開すると窓に製品が掛かります。窓に掛からないようにしたいなら、正面付けでたたみ代分を逃がすように取り付けします。その場合は、窓サイズ+たたみ代になるので製品サイズが大きくなり価格が高くなる場合があることもあります。

木製ブラインド:枠内付けでたたみ代があると窓掃除がしにくい
木製ブラインド:枠内付けでたたみ代があると窓掃除がしにくい

2-3. カーテンレール(ドレープ・レース)を枠内に設置する際の課題

カーテンレールを枠内に設置する場合、メカ製品(ロールスクリーンなど)とは違い、採寸自体は簡単ですが、使い勝手に大きなデメリットがあります。それは、開閉時の操作性です。

枠内にカーテンの場合はドレープとレースが干渉しやすい

レールが枠内ぎりぎりに設置されていると、カーテンのランナー(滑車)やフックが窓枠の上部に干渉しやすく、カーテンの開け閉めがスムーズにいかなくなることがあります。

また、装飾レールのようにレールの厚みがあるものは枠内に収まらないことが多いため、枠内には機能性レール(薄いレール)を選ぶことになります。ダブルレール(ドレープとレースの2本)を設置したい場合は、枠内の奥行き(スペース)が足りず、カーテン同士が干渉しやすくなるため、シングルレールでの運用が推奨されます。


3.【製品別】枠内設置に向くアイテム・向かないアイテム

3-1.枠内に向いているアイテム

アイテムとしては、たたみ代が比較小さいアルミブラインドプリーツスクリーン・ハニカムスクリーンはコンパクトになります。ロールスクリーンもおすすめです。

また、枠内に取り付けする場合は隙間ができるので光漏れが気になる窓や寝室は正面付けの方が向いています。または、ロールスクリーンやハニカムスクリーンのフレーム仕様がありますのでそちらもおすすめです。

3-2.向かないアイテム

向かないということではありませんが、バーチカルブラインドは幅が広い製品になるとスラットの枚数が増えるのでそれだけたたみ代が大きくなります。ですが、バーチカルブラインドはスラットの角度で調光するものなのでたたみ代については気にならないのであれば問題ないと思います。同じ理由で木製ブラインドについても言えます。

窓を塞がないようにしたいなら窓よりも製品サイズがかなり大きくなる

3-3. シェードを枠内に設置する場合の注意点

シェードは生地を重ねてたたみ上げるため、全開した状態でも窓上部に一定のたたみ代が残ります。このたたみ代が窓の一部を塞いでしまうため、窓の開放感を重視したい場合はデメリットとなります。

また、メカの奥行きが比較的大きい製品が多いため、窓枠の奥行きが浅いとメカが窓枠から手前に飛び出してしまい、スッキリ感が損なわれる原因になることがあります。必ず製品のメカ寸法を確認し、窓枠内に収まるかを確認しましょう。

シェードの枠内天井付けは若干隙間ができてしまう

4.【失敗しない採寸】枠内設置のための計測手順と4つの注意点

4-1. 正確な「横幅」と「高さ」の測り方(3カ所の計測)

枠内設置で最も重要なのは、「必ず3カ所を測る」ことです。窓枠は一見まっすぐに見えても、実は製造や施工の過程で数ミリ程度の歪みが生じていることがほとんどだからです。

  • 横幅(間口):窓枠の上端・中央・下端の3カ所を測り、その中で一番短い寸法を採用します。
  • 高さ(丈):窓枠の左端・中央・右端の3カ所を測り、こちらも一番短い寸法を採用します。

製品が設置できなくなることを防ぐため、計測は1ミリ単位で行い、必ず最短の寸法を記録しましょう。

4-2.製品ごとの「適切な減寸」と「隙間の考え方」

採寸した「最短寸法」をそのまま製品の注文サイズにすると、製品が窓枠にぶつかって取り付けできなくなります。そのため、枠内寸法から必ず適切な寸法をマイナスする(減寸する)必要があります。

この減寸幅は製品の種類やメーカーによって異なりますが、一般的には以下の寸法が目安となります。

製品の種類幅(横幅)の減寸目安高さ(丈)の減寸目安
ロールスクリーンマイナス10mm(1cm)程度マイナスなし
ブラインドマイナス10mm(1cm)程度マイナス10mm(1cm)程度
シェードマイナス5mm(0.5cm)程度そのまま(またはマイナス1cm)

幅を1cmマイナスすると、左右に5mmずつの隙間が生まれます。この隙間は光漏れの原因になりますが、取り付けの確実性を優先するため、この減寸は必須です。

4-3. 採寸時にチェックすべき「障害物」と「窓枠の歪み」

枠内設置特有の注意点です。窓のクレセント錠(鍵)換気扇のつまみなどの障害物がないか、窓枠がまっすぐでなく歪んでいないかをチェックする方法を具体的に解説します。

まとめ:枠内設置で「スッキリ」と「おしゃれ」を両立しよう

枠内設置は、正確な採寸や製品選びが求められるため、正面付けと比べて難易度が高いのは事実です。

しかし、窓周りが壁面とフラットになり、生活空間が格段にスッキリとおしゃれになるという大きなメリットがあります。ロールスクリーンやシェードだけでなく、カーテンレールでも工夫次第で枠内設置は可能です。

この記事で解説した「デメリット」「製品の適性」「採寸のコツ」をチェックリストとして活用し、失敗のない設置を実現してください。ぜひ、憧れの「スッキリとした窓周り」を完成させましょう。